実行委員長 津久井富雄|那須野が原国際芸術シンポジウム

大田原市市長 那須野が原国際芸術シンポジウム実行委員会 会長 津久井 富雄


 まずは、先の東日本大震災で犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表し、また、被災された多くの方々にお見舞い申し上げます。
 大田原市におきましても震災の爪痕は深く、ただいま復旧、復興に向けて全力で取り組んでいるところであります。
 そのような中で開催いたします「那須野が原国際芸術シンポジウム」は、今年で第15回を数えます。このイベントは、広く市民の皆様に芸術鑑賞の機会を提供して、彫刻の美しさや楽しさ、面白さを知っていただき、地域文化の発展に役立てようと、約50日間にわたり彫刻の公開制作を行うもので、1997年(平成9年)から始まったものであります。
 今年は韓国とオランダのほか、国内から2名、計4名の作家をお招きいたしました。
 開催期間の7月下旬から9月上旬にかけては、暑さ厳しく、雷雨に見舞われることも多い季節ですが、近年はゲリラ豪雨や酷暑などさらに厳しい自然環境と闘いながらの開催となっております。それでも作家の皆様はたくましく、勇ましく、1つの石や1本の木と正面から向き合って、こつこつと作品を作り上げていきます。
 シンポジウム会場となっている大田原市ふれあいの丘は、現在、震災で被災された方々の避難所にもなっております。避難されている方々は不便な生活を強いられ、不安な日々を過ごされております。このイベントが避難されている方々に心の安らぎと笑顔を取り戻してくれる契機ともなれば幸いです。
 皆様には期間中に、どうぞ会場へ足を運んでいただき、作家の息づかいを感じ、作品のできゆく様を見つめ、作家とふれあっていただくことで、皆様の心の活力となることを願うものであります。